目黒通りの壁面収納家具店     R-au-M3/ラウム

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最もよく使うものだけピックアップして、身近な場所に収納しています。

      2016/09/01

【IT茶人 近藤 俊太郎 氏 Part2 / お茶道具編-2】

数ではなく、こだわりを重視するような集め方も楽しい

 

photo1_kondousan(小)

みなさま、こんにちは。前回に引き続き、近藤さんにお話を伺ってまいります。興味深いお話で盛り上がり、収納の話までいきませんでしたが、今回は収納面についても、お聞きしていきたいと思います。

ーお茶道具って、年代ものの古いものを探す方もいらっしゃいますが、そのような骨董的なモノを探すことはありますか?

ハイ、あります。以前、高名な先生に「お茶をずっと続けていると、きっといつか古美術、骨董に興味を持つタイミングが来るんじゃないか?」と言われたことがあります。又、そういった物も見ないと新しいものを創造していくにも、頭打ちになるからどこかで必ず見た方が良い、というお話でした。

自分も、興味はあったのですが、古美術、骨董に入るのには勇気がいるのです。作法とか高価であるなどの理由もあり、なかなか踏み込めなかったのですが、最近だとインターネットのオークションでも出てきています。贋作も多かったりするので、見極める力というのも必要になってきますが、少しずつ紹介していただいたりしながら、いくつか買っていきました

安易には買えませんが、旧いものを色々と見ていくことで、現代のものにはないところ、良いところがわかってくるようになります。逆に現代の作品の良さも再発見することもあります。そうして自分のなかで価値観をはかるのが、今は楽しいです。

ー道具を見極めるうえで、師匠的な方はいらっしゃいますか?

師匠とは呼んでいませんが、学芸員の方は博学ですね。京都にいらっしゃる学芸員の方に、困った時には相談しています。また、その方の案内で古美術商の方を訪ねることもあります。古美術商の方も、すぐに買わないとわかっても、若い人が古美術に触れる機会をよしと思ってくださって、実際に触れることを勧められます。

集め方に関して、今は、数ではなく質とか こだわりを重視するような道具の集め方も面白いと考えるようになったので、手元に有るものを整理して、手放すことで使用される機会を道具にも与えるのが良いと考えています。使ってもらうことで、道具もHappyになりますしね。

そうした循環をしていき、ある一定のスパンで見直すことで、自分の価値感を見直す機会にもなります。好みも変わる自身の変遷もありますし。

実は、近藤さん主宰のアバンギャルド茶会では、所有されていたお茶道具を手放す「茶道具放出!売立てイベント」が、最近開催されました。私は仕事の都合でどうしても行けませんでしたが、大盛況だったようです。そのイベントのレポートがアバンギャルド茶会のサイトにアップされていましたので、ご紹介させていただきます。

http://www.ava-cha.com/2016/07/07/10443

 

茶道には「用の美」という言葉があります

 

ー続いて、収納という観点からお聞きしていきたいと思います。お茶道具を収納する際に、何か決まったルールのようなものはございますか?

 

ダイニングテーブルとキッチンの間にあるスペースに作った棚が、いわゆる「使う棚」になります。近々によく使う道具を置きます。ここには、持っているものを活かすために、1週間から2週間ごとにローテーションで入れ替えています。使うための収納になります。他のストックのための収納は別のところにまとめています。

chawan(小)

↑こちらが、日々使うものがローテーションで置かれている棚です。

ー眺めて楽しむためという方もいらっしゃいますが、そういう目的もこの棚にはありますか?

茶道には、「用の美」という言葉があるように、自分は使う機会を増やすことが好きです。使うことによって、手に触れていることが好きなので、愛でるよりも短い時間でもお茶を頂いて触れ「ああ、こういう変化が出て来たな」などと楽しんでいます。そういう意味でも、収納は使いやすくすることが最も重要です。ですので、この棚は、自分で作りましたが、両方から出し入れするようにしてあります。棚の間隔も、茶碗の高さを考えて作ってあります。

ーなるほど。 ところで、近藤さんがお持ちのお茶碗は、大きめのものが多いように見受けますが?

そうなんです。私は大きい茶碗が好きです。大きい茶碗は男性が持つと絵になると思っています。大きな茶碗は女性が持つと、遊ばれてしまっているように見える。男性らしい大ぶりな茶碗が、男前だと考えているので自然と大きいものが増えていきました。

ーストックのための収納スペースは、どのように収納されていますか?

まず、出しておくと壊れてしまう、欠けてしまうようなものは、本当は出しておきたいのですが、箱に入れて一番下に置いています。そして箱の中身もローテーションさせています。

ー箱から出しているものに、並べる順番やルールはありますか?

順番はありません。最下段は、重ねたくないもの、高価なものを置いています。出来れば、すべての茶碗をフラットに置きたいのですが、物理的に無理なので、それ以外のものは重ねて置くものもあります。形が似ているものは重ねて置いているので、ある程度自然と置く場所が決まってきます。

ー作家さんごとに決まった場所はありますか?

何となくかたまりとして、この方のお茶碗は、このあたり、という感じはあります。自分の記憶の中で、場所がだいたい把握しているので、あの茶碗はどこだっけ?というように探すことはありません。

ー近藤さんにとって、お茶碗を収納する上で、理想の収納というものはありますか?

先ほどの使う棚(ダイニングテーブルとキッチンの間にあるスペースに作った棚)が、キッチンカウンター幅いっぱいにあると良いです。高さ的にもちょうど良いし、幅が広くなっていると今のように重ねないで、飾り棚のようにたくさん収納できるので理想に近いと思います。実際には、スペースにも限度があるので難しいですが、それはいたしかたないと思っています。

ー地震の心配もあるかと思いますが、扉はなくてオープンで良いのですね。

ハイ。以前は、ワイヤー、ピアノ線などでストッパーをつける飾り方もしたことがありますが、やはり考え方として「有事に備える」というよりは、「毎日使うこと」を前提に出したりしまったりしやすさを優先する、という状態にしたいのです。

まるで子どものよう?

 

ーいつも使う、特にお気に入りのお茶碗はないのですか?

本心を言えば、本当に使いたいお茶碗は、5〜6個しかないのですが、子どもと一緒で、差別が出来なくなってくるのです。最近も夜遅くに、大きめの地震がありましたよね、その時に2個の茶碗が割れてしまったのですね。そしてこの割れた2つの茶碗というのが、不思議なことに、ここ1年くらい使っていないものだったのです。東北大震災の際にも、あれだけ揺れたのに1つも割れなかったのに、です。まるでつかってもらえないお茶碗が、いじけて「割れてやる」と自分から割れたように感じました。

ーすごく面白いお話ですね! そういう意味で、今回の「売立て」のようなイベントで、嫁に出すような感じですか?

そうです、そうです。結果として、そのような使い方が一番良いと思うのです。

前回の、吉田さんのカップ&ソーサーと同じく、近藤さんも、使うお茶碗は、決まったものに偏ること無く、ローテーションでまんべんなく使う理由がわかった気がしました。

そして、「用の美」という言葉は、収納を考える上で大変重要な意味を持っていると、改めて強く感じました。次回に続きます。

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